私の父方の叔母は、東京のお漬物屋さんに嫁ぎました。毎年暮れになるとそこのお漬物や煮豆などが届いていましたが、たまに売り物ではない自家用のたくあんが入っていることがありました。そのたくあんの美味しいこと。売り物のたくあんも入っていたけど自家用の方が素朴で美味しいのです。
私が山の中の老人ホームで仕事をしていた時、購入したたくあんを利用者様に提供していましたが、ある時調理主任が「なんか美味しくないよね。私が漬けるから、タルと材料を買ってちょうだい!!」と言い出し、彼女がたくあんを付けることになりました。そのたくあんの美味しい事!叔父が自家用に作ったたくあんと同じ味でした。もちろん利用者様にも大好評でした。
現在JAやスーパーでたくあんを購入してもあの味と同じ物には出会えません。自分で作るにしても大きな樽で何本もつけるのはとっても無理。でも何とかできないか考えた末、近いものが作れるようになりました。
まず、大根を1/4に切って干し、軽く曲がるくらいになったらぬか床に漬けます。
1~2日ぐらい漬けたら、切って、塩こうじと蜂蜜を入れて重しをのせます。
こんな感じになったら出来上がり。あの素朴なたくあんの味です。
大きな樽でつけなくても今あるぬか床で作れるなんてラッキーでした。